舞、水墨画の筆遣い、剣は相通ずる

舞、水墨画の筆遣い、剣は相通ずる

学生の頃、神戸の摂津岡本という所に舞の師匠がいて、
京都から毎週通っていた。
舞と水墨画を習っていた。
 
芸術は総合的なものであり、絵を描くといって絵画だけを学ぶようでは
まともな修行にならない、と仰っていた。
 
師匠も、舞を学ぶにあたって、
絵を描き、柔道をやり、剣術をやり、日本泳法をやり、
楽器と歌を覚え、書物を読んでお稽古されたそうである。
 
扇は、元々は、刀を帯刀できない時に差すものであり、かつ軍配の代わりなのだと言う。
戦国時代になぜ能が武将の間で流行ったかというと、
軍配の動きを洗練させ、的確に指示を出すために始められたのが理由だそうである。
それで、舞の動きの無駄を発見するために、水墨画を習ったという事で、
舞、水墨画の筆遣い、剣は相通ずるものがお互いにあるという。
 
そこで私も絵画の修行の一環として剣道の稽古をし、竹刀を振って鍛えた。
素振りを丹念に行い、振り下ろした竹刀を、ぴたっと空中で止めた。止めると言っても、
腕で止めるのではなくて、身体全身が準備をし、各部が連動しているようだった。動きは深い所から来ているのを知った。
 
その後、随分と剣道を練習していたが、ある時自分の筆遣いが良くなったのを感じた。
特に細い線を描いていて、ピタっと止める時。黒い線が生きていた。全身から、この極細の線を産みだした感じがする。線はこのように描き、筆と自分はこのように一体となるのだ、と思った。
 

2025-04-27 04:12:30

教室でのお話/Talikng in classes